「西国疾走少女」に震えた
この連作短編集の一番最初に収録されている「西国疾走少女」がとんでもなく良かったので、記憶が新鮮なうちに書いておきます。
私は恋愛に関してかなりドライで、完全なる上書派なのだが、ふと思いがけないタイミングで昔の記憶が蘇ることがある。
その記憶は、決して甘いものではなく、青くて妙にギラギラしてて、できれば気づかなかったことにしておきたいものだったりする。(その瞬間、私の頭の中を覗かれたりなんかしたら恥ずかしすぎて死ねる。マジでサトラレじゃなくて良かった)
場合によっては、恋愛だけじゃなく思春期のヒリヒリや自分を持て余して空回っていた記憶も芋づる式に蘇ってきて、胃のあたりがどっと重くなることもある。
西国疾風少女を読んで、ああこの感じ、と思った。この感じを物語にしてしまうなんてすごい。
生臭くて最高の小説でした。